こんにちは!台湾在住歴15年目のHana花です。
さて、毎年旧暦の7月は、恋人達のスイートなイベント!チャイニーズバレンタインデー「情人節」を始め、日本でいうお盆の「鬼月」が1か月間あります。
鬼月の一か月間は、やるべき事とやってはいけない事があり、てんやわんや~。
日本人には馴染みのない旧暦の7月!台湾では皆、どのように過ごしているのでしょうか?
実体験も交えて、ご紹介致します!
もくじ
鬼が来る⁉台湾の鬼月とは?
鬼月は、旧暦の7月1日から7月29日までの約1か月間、鬼が人間界に舞い戻ってくるとされる月です。
ここでいう鬼は、日本人がイメージする「鬼」ではなく、「幽霊」のことをいいます。
旧暦の7月1日になると、「鬼門開」というあの世の門が開かれ、鬼たちが霊界からこの世に押し寄せてくるのです。
ご先祖の霊はもちろん、無縁仏の霊、悪い霊たちも舞い戻ってくる為、
各地のお寺・企業・店先・家庭では、お供え物をして供養し、金紙を燃やします。
そして、私たち人間が、直接「鬼」といわないように、この時期だけ「好兄弟(仲の良い兄弟)」と呼びます。
鬼月には何をする?「中元普渡節」ビッグイベント!
旧暦の7月15日は、「中元普渡節」といわれる盛大な礼拝行事が行われます。
この風習は、道教の中元祭と仏教のお盆祭の2つの宗教的儀式が由来とされています。
この日は、神様や先祖、好兄弟たちに、たくさんのご馳走を振舞い、線香の香りを楽しんだ後、
喜んであの世に帰ってもらおう!という、とても意味のある行事です。
実際に何をするのか?
・・というと、上記でも述べたように、好兄弟にお供え物をして、礼拝(拝拝)をするのですが、
お供えものの量があればあるほど良い。
と、いう感じで、とにかく大量のお供え物を並べます。
そして、中元節当日の流れは、午前中に家庭の先祖様や神様に拝み、午後(13時以降)に好兄弟を拝む。
という決まりがあります。
こちらは、我が家のご先祖様への礼拝(拝拝)の様子です。
基本、中元普渡は、玄関先などの外に向かって行うのが鉄則なので、
家の中で行ってはいけない!
といわれていますが、
「先祖の魂を祀る廟へも出向いている。」ということなので、家でもよいそうです。(よくわかりませんが・・)
仏壇の前のテーブルに、米・肉・魚・卵・スープ・野菜・フルーツ等、計11種類のお供え物を並べ、
仏壇にお線香をあげて、供養します。
長い線香が半分なくなると、次は外で、先祖の霊を鎮める為に、金紙を燃やします。
ここで燃やしている金紙は、あの世で使えるお金で、大小様々な種類があります。
我が家では、4種類の黄色の紙を燃やしています。
金色の紙の種類によって名称があり、正直よくわからないのですが、すべてあの世で使えるお金だそうです。
午後、好兄弟への拝拝はどのような感じかというと・・
一般企業では、会社の行事として、「公普普渡」と呼び、社員一同が会社の発展を願い、拝拝をします。
家庭同様、お料理、果物はもちろん、缶詰・ジュース・お菓子・インスタントラーメンなどを、
祭壇にたくさん並べ、お線香を手にもって拝みます。
拝拝をした後のお線香は、上記写真のようにすべてのお供え物に、ブスブス刺すのがきまりです!
好兄弟がお腹いっぱいになり、食事を終えるのを待った後(参拝後から約1時間後くらい。線香の火がなくなる頃を目途)に、金紙を燃やします。
企業、店先だけでなく、マンションのエントランス外や自治会館前など、共同で中元節の行事を行う様子を目にします。
初めて目にする方にとっては、カオスな世界⁉
・・・ですが、これが鬼月にやるべきメインの行事です。
台湾の鬼月!やってはいけない事とは?
①洗濯を夜にしてはいけない。
霊が濡れたものにつきやすいからという理由からです。
②海や川、プールに入ってはいけない。
日本のお盆でも言われている通り、海や川では、水難事故にあった人たちの霊に捕まってしまうといわれています。
できればプール遊びもしない方がよいでしょう。
③「鬼」と口にしてはいけない
鬼と呼ぶと、霊を呼んでしまうといわれているので、好兄弟と呼びましょう。
④夜、フルネームで名前を呼んではいけない
夜にフルネームで名前を呼ぶと、霊に捕まりやすくなるからです。
台湾では、親子・友達・恋人同士等、姓名で呼ぶ習慣があるので、鬼月時は注意が必要です。
また、肩をたたかれて、振り返ってもいけません。
⑤お祝い事など人生の転機を迎えるイベント事は避ける
結婚、引っ越し、転職、不動産・車・家具などの購入は、不吉だと言われます。
できれば出産も鬼月時はNG。(どうしようもないことですが・・)
また、この時期に手術や病院通いもしない方がよしとされています。
⑥夜、写真を撮ってはいけない
写真に鬼が写りこんでしまう事があるからでしょう。
この時期には、夜出歩いたり、夜更かしもよくないといわれています。
鬼月には、七夕情人節もあり!恋人達の為の花火大会
旧暦の7日7日は、「七夕情人節(チャイニーズバレンタインデー)」です♡
今年は、台北市大稻埕埠頭、延平河浜公園にて、花火大会が行われました!
20時すぎから約8分間、夜空に放たれる大きな花火!
花火のテーマは、2020年(中国語で、アーリンアーリンと発音)の発音にちなんだ、
「愛你愛妳(アイニーアイニー=愛してる)」です。
コロナウイルスの封じ込めに成功している台湾。
とはいえ、人が集まるところではマスク着用義務があるので、皆マスクをしています。
会場では、キッチンカーの出店や、コンサートが行われ、大勢の人達で大いに盛り上がりました!
鬼月の夜空を彩る美しい花火にウットリ・・(#^^#) 夏の風物詩の「花火」はやっぱり良いものですね!
日本の花火大会を思い出し、なんとも懐かしい気持ちに♡
当たり前のことが当たり前ではない日常・・
来年は、日本の花火大会に参加したい‼
【台湾バレンタインデーの記事はこちら】
↓↓↓
最後に・・
7月1日(鬼門開)から始まり、7月7日に七夕情人節を迎え、15日に中元節。そして、鬼月最後の29日(鬼門閉)の拝拝。
以上にて、慌ただしいイベント事が終了します。
鬼月と聞くと、怖い印象を持つ方もいるかと思いますが、
結論から言うと、怖いことはありません‼(断言)
なぜなら、ご先祖様への感謝の気持ちと信仰心が厚い台湾の文化が反映された大切な行事だからです。
そして、親切でフレンドリーな国民性であるからこそ、鬼たちに対しても「好兄弟」と呼んで温かく出迎え、
鬼たちに悪さをされないよう、熱心に拝拝。
台湾にいる日本人の私たちもこの風習を理解し、実践していくことで、良い世の中になってほしいと願っています。