台湾茶とは?

【台湾茶の基礎知識】極上の台湾茶の種類や特徴を知っておこう!

近年、美健康に良いと人気が高くなってきた台湾茶。
台湾独自に発展を遂げてきた製茶の歴史や種類など、台湾茶の基礎知識をわかりやすくご紹介します。

台湾茶の歴史

台湾茶はもともと中国茶がルーツになっています。
1796年に商人の柯朝(かちょう)が大規模な烏龍茶産地である中国・福建省の武夷山から、台湾北部に茶の苗木を入植・栽培したことが始まりだと云われています。
その後、福建省の指導者により中国式の製茶方法が始まり、更に南投県(台湾中部)にも福建省茶が植樹されました。
中国とは生産地の環境、気候、茶葉の成長過程などが異なるため、台湾の独自の製法や加工方法などが考えられ、中国の茶葉とはまた違った良質な茶葉を作るようになります。
1866年頃には台北県・淡水港と台南が開港されたことを、きっかけに品質の高い台湾の茶葉が世界的にも広く知られるようになります。
1869年には、イギリスから視察に来ていた商人・ジョン・ドッドの目にとまったことをきっかけに「Formosa Tea」というブランド名で、アメリカやイギリスに輸出されます。
これが大きなヒットとなり、それ以降、台湾茶の産業が盛んになっていきます。
その後、戦争などで衰退していった台湾茶の産業でしたが、1945年、第二次世界大戦終結後から台湾茶の復興を掲げます。
1980年代には輸出の最盛期を迎え、特に高地で作られた手摘みの烏龍茶「高山茶」が人気を呼び、ブームを巻き起こしました。

台湾茶とは

歴史的に台湾は第二の中国茶の産地と言われ中国茶に分類されることがありますが、主に台湾茶と中国茶の違いは産地の違いになります。
「台湾茶」とは台湾で生産された茶葉を発酵・製造したお茶のことを呼びます。
特に青茶(文山包種茶、凍頂烏龍茶、白毫烏龍茶)の産地として有名です。
近年では美容や健康志向により、台湾の土地ならでの独自のお茶にも注目されており、例えば「凍頂烏龍茶」「東方美人茶」「木柵鉄観音茶」「文山包種茶」などが、人気を呼んでいます。

お茶の作り方・茶葉の種類

台湾茶をはじめ、お茶にはいろいろな種類があります。
基本的にお茶は同じ茶葉で緑茶、紅茶、烏龍茶などを作ることができます。
主なお茶の種類の違いは茶葉を作る段階での発酵度(発酵の有無)や焙煎方法などが異なるだけです。
茶葉には酵素が含まれており、そのまま放置しておきますと発酵します。
その発酵のタイミングの違いによりお茶の種類が異なってきます。
例えば発酵させない不発酵茶の「緑茶」の場合、茶葉を摘まんだら発酵が始まる前にすぐに加熱、日本では茶葉を蒸し、台湾・中国では釜煎り(釜で炒る)で茶葉の酸化酵素の働きを止めます。
逆に茶葉を完全に発酵させ(全発酵茶)作られるのが「紅茶」です。
また緑茶と紅茶の中間程度に発酵させたのが「青茶」(半発酵茶)で、台湾では生産量が最も多いです。

青茶は味や香りともバランスが取れており、日本人の嗜好に合うポピュラーなもので、近年では総称として「烏龍茶」と呼ばれるようになりました。
青茶以外にも黒茶、花茶、フレーバー茶などがあります。
一般に発酵度の低いお茶は香りがフレッシュですっきり爽快した味わいで、ごく淡い色合いをしており、徐々に発酵が高くなるほど味や色合いが深まっていきます。

台湾四大銘茶と台湾茶(烏龍茶・青茶)の特徴

台湾の烏龍茶(青茶)は茶葉発酵度が15%~80%と幅広いため、それぞれの発酵度や焙煎方法(焙煎度)などにより、味や風味などが異なってくるためバリエーションが豊富にあります。
その豊富にある台湾茶の中で特に「東方美人」「木柵鉄観音(モクサクテッカンノン)」「文山包種(ブンザンホウシュ)」「凍頂烏龍(トウチョウウーロン)」は台湾四大銘茶と呼ばれているほど有名です。

台湾四大銘茶の「文山包種茶」は台湾北部(文山地区)で作られている烏龍茶で、昔、紙に包んで販売されていたことから包種茶と名付けられています。
軽発酵茶(茶葉発酵度15~20%)に代表されているお茶でもあり、苦みや渋みがほとんどなく、ほんのりとした香りと緑茶に近いすっきりとした爽やかな味わいが楽しめる烏龍茶(青茶)です。
中発酵茶(茶葉発酵度30~40%)に代表されるのが、台湾四大銘茶の「木柵鉄観音茶」と「凍頂烏龍茶」です。
木柵鉄観音茶は味は芳醇で濃く、様々な香りが楽しめるのが特長で、カテキン含有量も多く含まれています。
また凍頂烏龍茶は台湾の凍頂山で作られたお茶で最も知名度が高い烏龍茶です。
薄い金色のお茶で、蘭の花にも似た華やかな香りとまろやかな甘みが楽しめます。
重発酵茶(茶葉発酵度70~80%)に代表されるのが、台湾四大銘茶の「東方美人茶」(正式名:白毫烏龍)です。
ウンカと呼ばれる虫を利用して栽培する関係で農薬を利用出来ず、無農薬で栽培されています。
その為、台湾茶葉の中でも極めて生産量が少なく、希少で高価な茶葉です。
発酵度が高く、渋みが少なく、上品な紅茶に近い美しい褐色と味、果実とハチミツが合わさったような甘い香りを、楽しめます。ヨーロッパでも高く評価され、イギリスでは「Oriental beauty」と名付けられるほどの、大ブームとなった特別なお茶です。

台湾茶の主な産地

台湾の国内で、ほとんどの地域で作られているため、それぞれ特徴をもった銘茶が、数多くあります。また、台湾では、冬茶(10~11月)に摘んだ茶葉は、稀少なため、人気が高くなります。

主な産地 台湾茶の主な種類

  • 日本との関係が深い「台北市」
    • 文山包種茶、木柵鉄観音茶など
  • 台北市を囲むような形の「台北県」
    • 生産量が一番多い包種茶、台湾唯一の龍井茶や碧螺春など
  • 台湾島の北西部にある「桃園県」
    • 包種茶、龍泉茶、武嶺茶、高山茶など
  • 有名な大霸尖山などがある「新竹県」
    • 烏龍茶、包種茶、東方美人(椪風茶)など
  • 高山地帯の「苗栗県」
    • 白毫烏龍茶(東方美人)、明徳茶(老田寮茶)、包種茶など
  • 唯一の内陸県である「南投県」
    • 紅玉紅茶、鹿谷鄕凍頂烏龍茶、杉林溪烏龍茶、凍頂烏龍茶、金萱茶など
  • 台湾の中部に位置する「雲林県」
    • 剣湖山茶、雲頂茶、包種茶など
  • 台湾南部に位置する「嘉義県」
    • 高山茶、金萱茶、烏龍茶、包種茶など
  • 台湾東部に位置する「花蓮県」
    • 烏龍茶、蜜香紅茶、柚花茶、包種茶など
  • 台湾西北部にある「新北市」
    • 蜜香紅茶、茉莉花茶 東方美人など
  • 台湾中西部にある「台中市」
    • 大禹嶺烏龍茶、梨山烏龍茶など

台湾茶の効能(健康・美容編)とは?

茶葉に多く含まれている成分に、カテキンがあります。カテキンは、ポリフェノールの一種で、苦み・渋み成分を特徴としています。また、このカテキンが発酵することで「重合(カテキン+カテキン)」という科学変化が起きて、新たなる物質を作ります。烏龍茶の場合、茶葉を半発酵させる過程で、茶葉に含まれるポリフェノールが変化し、烏龍茶特有の「烏龍茶ポリフェノール」という成分を作りだします。また、他にも美容や健康に欠かせないビタミンA(カロチン)、C、E、亜鉛、セレンなど、多くの成分が含まれています。

【台湾茶・台湾紅茶の効能・効果】

ダイエット効果(脂肪を吸収して体外に排出、中性脂肪を分解)、むくみ・利尿作用、体をサビさせる活性酸素の働きを抑える(抗酸化作用)、新陳代謝を高める、冷え性の改善、胃腸を整える、消化促進、花粉症の改善、抗菌・殺菌作用、風邪・ウィルス感染予防、ホルモンバランスの改善、生活習慣病予防(糖尿病の抑制等)、美肌効果(老化防止)、便秘改善、口臭の改善、二日酔い予防、不眠・リラックス効果、集中力の向上などがあります。

まとめ

台湾茶は同じ銘柄の茶葉でもグレードがあるため、品質・味・香り・値段がかなり異なってきます。
そのため、選ぶ際は店舗で相談・試飲することをオススメします。
しかし店舗まで遠方なため、足を運べない場合などは通販を利用してお好みの台湾茶を見つけてみるのも良いでしょう。

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