意外と知られてない!台湾の冬を代表する変わり種「鍋」2つ紹介

年が明けて、まだまだ寒さの続く台北。
今年は日本も寒波が来て寒いようですが、日本が寒い年=台湾も寒いので
おいしいお鍋などを食べて寒さに耐える日が続いています。

台湾の鍋料理と言えば真っ赤のスープの辛い鍋「マーラー火鍋」が代表的かと思いますが
実はそれ以外にも種類がたくさんあるんです。

私も台湾に移住するまで聞いたこともなかったのですが、
台湾人に「冬の食べ物は?」と言えば、必ず名前が上がる鍋料理が2つあります!

日本ではほとんど知られていないその冬の鍋料理。
レストランもローカル感満載で、本当の台湾文化を味わえること間違いなし。
なにより体が温まってとてもおいしいので、”冬を代表する台湾の鍋料理”2つを紹介していきます!

鴨と生姜の鍋【薑母鴨(ジァンムーヤー)】

台湾の冬の食べ物として、まず名前が上がるのがこちら!

薑母鴨(ジァンムーヤー)

です!
「薑」がショウガの意味で、鴨肉のお鍋なので名前にも鴨と入っていますね。

この鍋を食べるには、「薑母鴨」専門のお店へ行く必要があります。

*画像は霸味姜母鴨のFacebookページからお借りしています。

台湾全国で展開する薑母鴨チェーンの代表はこちらのお店【霸味(バーウェイ)薑母鴨】。
本店は新北市の三重というエリアにありますが、台湾全土でこの看板を目にすることができます。
でかでかと薑母鴨と書かれているし、鴨のイラストもあるので非常に分かりやすいですね。

ここのチェーンに限らず、薑母鴨のお店はだいたいこのような店構えで
黄色のちょうちんがぶら下がっているお店が多い印象です。

そして薑母鴨のお店で注意したいのが

お店の営業期間が10月~3月ぐらい

ということ。
ショウガ山盛りで、食べたら体がぽかぽかになるので
暑い台湾の夏ではとてもじゃないけど食べれません。
本当に冬限定の食べ物なんですね。

そして、具材を料理するお鍋も特徴的なんです。

*画像は霸味姜母鴨のFacebookページからお借りしています。

写真のように、このような壺みたいな形の陶器のお鍋を使用します。
これはこのチェーンだけでなくて、どの薑母鴨のお店に行ってもそうなんです。

少し低めのテーブルの周りに、これまた低い椅子(プラスチック椅子の場合もあります)に座り
テーブルの真中で炭を燃やし、その上にこの陶器のお鍋が設置されます。
ガスではなく炭火で料理する、というのも薑母鴨のルールのようです。
だいたいお店は密閉空間ではなく、半オープンなのですが
炭火の自然な暖かさがテーブルを包んでくれるので、寒いと感じたことはありません。

具材は、メインは鴨のお肉。

*画像は霸味姜母鴨のFacebookページからお借りしています。

この写真右下のお箸で持ち上げているのがそうですね。
結構大きめの塊がゴロゴロと入っています!
引き締まったお肉で噛みごたえがあり、スープも染み込んでいてとてもおいしいです。

あとはわりと一般的なお鍋の具材を好みに合わせてオーダーできます。
キャベツ、きのこ類などの野菜、肉団子などの練り物、豆腐(凍豆腐という一度凍らせた高野豆腐のような豆腐)、などなど。
お鍋一つだと2-3人の量なので、それ以上の人数でひとつのテーブルを囲む場合は
具材が減ってきたら第2ラウンド、第3ラウンド、という感じで具材を追加でオーダーしていきます。

オーダー表に必ず「米酒(ミージョウ)」とあるのですが、
台湾ローカル流の食べ方は、第2ラウンドでこのお酒をお鍋に入れるのだとか。

ショウガ+お酒で体がぽっかぽかになること間違いなしですね!!

私もこのお鍋が好きで、毎年冬になったら1度は食べに行っていますが
ショウガと漢方たっぷりのスープで、食べ終わったらじんわりと汗ばんでいるほど体が温まります!
風邪気味のときに食べたら、風邪が一発で治るかな?というくらい
体の心からぽっかぽかになるので、
大人気な冬の食べ物だというのが納得できますね。

羊と書いてあるのにラムではない・・【羊肉爐】

もう一つの冬の鍋料理はこちら

羊肉爐(ヤンロウルー)

というものです。

こちらは大手チェーンなどはあまりなく、色んな個人のお店が多く
また営業期間も決まっておらず、台湾全土で年中食べることができます。
夏の間もあるのですが、やはり漢方をふんだんに使ったスープが体を温めることから
冬の食べ物と言われています。

お鍋の見た目はこんな感じ。

こちらも大きめのお肉がたくさん入っています。
日本人からするとお鍋にトマトを入れる発想はなかなかありませんが、
台湾ではわりとスタンダードなようで、こちらもだいたい元からトマトが入ってでてきます。
グツグツ煮込まれてとろとろになったトマト、なかなかおいしいですよ。

この羊肉爐もかなりローカルな台湾料理で、レストランは現地の人で賑わっています。

私がよく行く羊肉爐屋さんは店舗前の道にもテーブル席がいくつかあり、
写真のように路上席で食べることも。

店内はお鍋の熱気ですこし暑いので、
個人的には涼しい風が感じられる路上席の方が気に入っています。

そしてこの料理、「羊」と書かれていますが、
なんとこのお肉の正体は・・・

ヤギ肉

なんです!!

日本ではヤギは沖縄以外では食べる習慣がありませんが、
台湾ではよく食べられるお肉の一つ。
そもそも台湾では羊をあまり飼っておらず、ヤギを育てている農場の方が多いようで
台湾料理のお店で「羊肉」という漢字を見たら、ほぼヤギ肉だと思ってください。
(ラム肉の場合は「ニュージーランド産羊肉」などの表記がある場合が多いです)

私も日本人なので、最初はてっきり羊の肉だと思い、なんの疑いもなく食べていたのですが
ある日台湾人友達にGoat(ヤギ)だと伝えられてびっくり・・・!

私の知ってるラム肉は柔らかいので、マトンだと思っていたのですが
まさかヤギだとは思いませんでした。
が、そう思うくらいマトン肉と食感も味も違いがありませんので
特に違和感なく食べられると思います。

この羊肉爐もアツアツ漢方スープで、食べ終わったら体が芯から暖かくなります。
冬の間(たまには夏でも)絶対食べに行く料理の一つです。

台湾全土で食べられますが、この料理の本場は高雄の北部に位置する「岡山」というエリア!
私はこの羊肉爐が好きすぎて、一度本場まで食べに行きましたが
そのエリアは本当に羊肉爐屋さんばかり!!

高雄に行った際は、少し中心地からは遠いですが、気になる方は足を運んでみてください。
岡山で食べた羊肉爐は本当においしかったです。

まとめ

今回は台湾の冬の代表的な鍋料理2つを紹介させていただきました。

この2つは本当に台湾現地の人たちに愛されている料理で、
冬場は予約しないと入れないレストランも多いです。

現地の人たちが家族や友人と盛り上がって食事している場に入って行けますので
本当の台湾を味わえること間違いなし!

冬の間に台湾に来られた際はぜひ挑戦してみてください。