万人が驚く珍百景⁉台湾伝統民俗「賽豬公(神豚祭イベント)」

 

「ところ変われば、文化・習慣が変わる!」

これが、海外生活の面白いところ!

海外生活が長くなると、だんだんカルチャーショックというべき事がなくなり(あきらめの境地もあり笑)、

日本との違いがよくわからなくなることも。

・・

山あり谷あり、笑いと涙あり。台湾生活続行中の筆者ですが、

今回ご紹介する民俗・風習は、わっと驚く珍百景⁉

お祭りのような台湾伝統民俗「賽豬公(サイヅゥーゴン=神豚祭イベント)」です。

「大きな豚がお寺に奉納⁉」

一体どのようなイベントなのでしょうか?ご覧ください!

 

賽豬公(神豚祭イベント)開催場所は?由来は?

神豚祭は、中華圏で縁起がよいとされる「豚」を神として祀る。

伝統文化継承の参拝イベントです!

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今回神豚祭イベントが行われた場所は、台北市の隣 新北市林口区にある「竹林山観音寺」です。

※神豚祭イベントは、台湾の各地域によって、開かれる日が異なります。

では、なぜこのようなイベントが行われるのか?

その由来は・・

 

旧暦の9月19日は、観音菩薩が、お寺に出家した大事な節目であるからです。

毎年9月19日になると、神様にお供え物とする「豚」を捧げ、今年1年の平和・幸運・豊作を祈願します。

 

この日を祝う為に、いくつかの養豚農家が集まり、どの農家が育てた豚が一番大きいかを重量で競います。

この古くから地元に伝わる民俗・風習を、中国語で、賽豬公(サイヅゥーゴン)と言います。

神様に奉納する用に丸々と大きく育てられた豚は、上位に入賞すると、

幸運や財運に恵まれた1年を過ごすことができるといわれています。

 

とはいえ、ご覧の通り、奉納されている豚は、死んでしまった状態です。

重量を競いあった後で、順位が決まると、屠殺して、絵付けや装飾を行ったり、口に果物をくわえさせたりして、

参加者の前に展示します。

 

最初にご紹介したように、地域ごとで行われるイベントの為、時期は違えど、イベントの内容は同じです。

同じく新北市の三峽老街近くの三峽祖師廟(お寺)では、毎年旧正月中の初六(旧暦の1月6日)に神豚祭イベントが開かれているようです。

 

神豚祭イベントで行われる催しとは?

お寺の広場に並べられた神豚達

特等、一等~五等、そして、賞を逃してしまった神豚がお寺の境内に1列に展示されています。

参加者は、自由に見学ができ、写真撮影も可能です。

中でも特等賞の神豚は、一番ゴージャスな飾りつけがなされています。

よ~くみてみると、体に刃物が刺さっていて、痛々しい。

2等賞の豚は、頭に包丁

そして、展示されているほとんどの神豚が、パイナップルを口にくわえています。

 

なぜ?パイナップルか??

・・というと、パイナップルは、台湾語で「旺来=オンライ」と発音し、

福を呼び寄せる縁起のよい意味である為、お寺での参拝行事や先祖の供養に欠かせないお供えものになります。

パイナップルのみならず、中にはリンゴを加えた神豚も。

ちなみに、「りんご(蘋果=ping guo)」も平安の果実と呼ばれ、幸福を意味する縁起の良い果物です。

 

神豚の前には、たくさんの果物やお菓子、丸鶏ローストチキンなどのお供えものと金紙を用意して、

拝拝(参拝)をします。

 

神豚の横では、読経・参拝が行われていたり、

楽団による奉納演奏が行われていて、とても賑やかです。

 

その奉納演奏の横で華麗に踊るダンサーの方や

歌を披露する方もいるので、大きな盛り上がりをみせます。

【台湾あるある】

台湾の参拝行事の他にも、道端にテントを張り、テーブル等を用意して、大規模な人数で行う屋台披露宴などにも

このようなダンサーや歌を披露するセクシーなお姉さま達がパフォーマンスをする姿が見られます。

 

また、お寺の周辺には、いくつかの屋台が並び、台湾B級グルメを楽しむことができます。

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賽豬公イベントが終わった後の神豚はどうなる?

神豚祭イベントは、午前中から始まり、午後13時くらいには終わりを迎えます。

その後、神豚をどうするのか?というと、それぞれの養豚場農家に戻り、調理。

屋外にテントを張って、地域の方を呼んで宴会を行うのが習わしです。

実は筆者も過去に2度招待されて、さまざまな豚肉料理を食べさせてもらいました。

中でも豚足が大好評だったのを覚えています。普通に美味しくいただきました。

 

※通常、「請客」といって、農家の方々が区の皆さまを招待するので、食事代はかかりません。

 

賽豬公(神豚祭イベント)が直面する問題点とは?

伝統文化とはいえ、神豚祭イベント開催については、動物保護の観点から賛否両論の意見があります。

賞をとりたい為に、豚に大量のエサをあげて参加するオーナーもいるのが現実。

豚の痛痛しい姿に、動物虐待と声をあげる人もいます。

筆者も初めてこのイベントに参加した時には、「こんなことがありえるのか!」と、衝撃を受けた覚えがあります。

・・とはいえ、今では毎年続く伝統行事に、慣れてしまっていますが。

 

このような背景から、一等のみの神豚をお寺に奉納した年もあります。

他にも、豚を奉納する代わりに、麺線やパン、クッキーで豚の形を作って奉納したり、

段ボールやペットボトル等の様々な材料を駆使してDIYで豚を作るなど、

工夫を凝らして、神豚を神様に奉納し、参拝に参加する方もいます。

 

台湾の民俗・風習に一喜一憂

いかがでしたか?

日本ではありえない驚きの神豚イベント!

今後この神豚伝統行事がどうなるのか?どう変わっていくのか?

継承される伝統行事の動向に目を向けていきたいと思います。

最後に、神豚祭りは、神にささげるための重量競争であり、参拝行事の一貫なので、動物虐待ではありません!

ご理解のほど、よろしくお願い致します。

 

以上台湾からのレポートでした。

 

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ご参考いただければ幸いです。