知らない人まで参列?驚きだらけの台湾の結婚披露宴

カップルの新たな門出を祝う結婚式。

日本は新郎新婦だけでなく、ゲストもきれいにドレスアップして参列しますよね。

お隣台湾では、どのような結婚式が行われているのでしょうか。

今回は、気になる台湾の結婚式事情に迫っていきます!

参列することになったときのために、服装やご祝儀についてもお伝えします。

覚えておきたい、台湾の結婚披露宴いろいろ

台湾の結婚披露宴で注意することなどはあるのでしょうか。

実際の台湾の結婚披露宴の写真とともに、覚えておきたいことをご紹介します。

(今回の写真は、筆者の親戚の結婚披露宴に参列したときのものです)

結婚披露宴の時間帯

結婚披露宴が行われるのは、日本同様週末が多いです。

筆者がこれまで参列してきた披露宴は正午開始というものが多かったですが、夜開始の披露宴もあるとのこと。

 

なお、招待状には12時など時間が明記されていることがほとんどですが、時間通りに始まることは少ないです。

結婚披露宴の前には、新郎が新婦を実家に迎えに行き、先祖への報告など伝統的な儀式を行う場合もあります。

披露宴が行われる場所は結婚式場以外にもいろいろ

日本では結婚式・披露宴といえば結婚式場やホテルで行われることが多いと思いますが、台湾ではそれより少し選択肢が多いです。

  • 家の前の道路にテントを張って行う(中国語で流水席)
  • ある程度大人数収容できる海鮮レストラン
  • 結婚式場
  • ホテル

この4つが主な選択肢となります。

1つ目は昔ながらのスタイルで、筆者も一度経験したことがあります。

 

筆者の友人の日台夫婦はガーデンウェディングを行ったそうですが、これは台湾では珍しいかもしれません。

時期にもよりますがとても暑いのと、蚊など虫が多いため、ハードルが高いからでしょうか……。

参列者の服装はかなりカジュアル

日本では式・披露宴に参列するゲストも男性はスーツ、女性はドレスや着物で髪の毛もきれいにドレスアップしますよね。

一方で台湾の結婚式では、参列者の服装はかなりカジュアル。

キレイめな格好をしている方もいますが、新郎新婦のご両親や兄弟、仲の良い友人など、近しい間柄の方にほぼ限られます。

中には、ジーンズやビーチサンダルを履いていたり、上下スウェットというゲストもいるほど!

日本だったらまずあり得ませんが、あまり服装に悩んだりすることなく、気軽に参加できるのはいいことかもしれませんね。

 

服装はカジュアルでも問題ないですが、注意したいのは色。

黒い服や黒い靴は避けるようにしましょう。

ご祝儀の相場は?

ご祝儀は、披露宴がどこで行われるか(家の前・海鮮レストラン・結婚式場・ホテル)や相手との関係性によっても左右されます。

同僚(普通に付き合いのある)の披露宴に参加する場合の相場を見てみましょう。

  • 家の前や海鮮レストラン:1,600元~(2人以上で参加する場合は2,600元~)
  • 結婚式場や普通のホテル:2,000元~(2人以上で参加する場合は3,200元~)
  • 高級ホテル:2,200元~(2人以上で参加する場合は3,600元~)

日本では奇数のほうが縁起が良いとされていて、割り切れない金額(お札の数)が好まれますが、台湾のご祝儀では上記の相場を見てもわかるように2や6が好まれます。

偶数が好まれるというわけではなく、「死」や「別」を連想させる4や8は避けるようにとされているので要注意。

 

また、参列者の身内で3ヶ月~1年以内(各地で異なる)に不幸があった場合、ご祝儀を渡すことはできません。

「何も渡さないのはちょっと……」という場合は、友人にお願いして立て替えてもらうなどの方法で対応するようです。

ご祝儀(紅包:ホンパオ)には、『百年好合』・『永浴愛河』・『白頭偕老』・『天生一對』・『相親相愛』など、4文字の結婚祝いの言葉をどれか一つ書くといいでしょう。

日本と台湾の結婚式・披露宴、ここが違う!

ここまでですでにいろいろな違いに驚いたかもしれませんが、もう少し日本と台湾の結婚式・披露宴を比較して見ていきましょう。

「この人誰?」というゲストまで参列している場合も

とにかくゲストが多いのが台湾の結婚披露宴。

10人がけのテーブル(円卓)が20卓程度(つまりゲスト数約200人)でも、台湾ではそんなに大規模な披露宴とはいえないようです。

 

筆者はこれまでに義家族や親戚など、ある程度面識のある方の披露宴にしか参加したことがありませんが、台湾人はたとえば同僚の娘など、関係性が薄い方の披露宴に参加する機会もあるようです。

できるだけ大勢の人に祝福してもらいたい、という考え方なのでしょうか。

両親への感謝の手紙など式中の見せ場はあまりない

ゲストの挨拶やパフォーマンス、新郎新婦が両親にプレゼントを渡したり手紙を読んだりなど見せ場も多い日本の結婚披露宴。

台湾ではそういった凝った演出は少なく、みんなでワイワイ一緒にごはんを食べるだけ、という雰囲気であることが多いです。

 

ただ、日本の一般的な結婚披露宴を知っている方(日台国際結婚カップルなど)は、そうした演出を設けることも。

筆者が以前参列した日台夫婦の友人の披露宴では、日本人の新婦が両親に感謝の手紙を読むという場を設けていました。

本来とても感動的な場面であるはずなのですが……。

手紙が日本語だったためか、日本語がわからない台湾人ゲストがずっとガヤガヤしていて肝心の手紙の内容がよく聞こえず残念だった……ということが。

 

今回の記事の写真を撮影した披露宴では、子どもたちがダンスを披露したり、おじさん・おばさんがカラオケで熱唱したりしていました。

会場に置いてあるカラオケの画面を見ての熱唱だったので、まるでカラオケ大会のようでした……。

料理は大皿で出てくる

日本の結婚披露宴では、料理は一人一品ずつ配られますが、台湾では大皿料理がテーブルごとに配られるので、それを好きなだけ(数が決まっているものは一人一つずつ)取って食べます。

テーブルについたときにはおめでたいときの定番・紅白の湯圓(白玉)が置いてあることが多いです。

料理は場所によってさまざまですが、台湾人の食事に欠かせないスープは2品くらい出てくることも!(フカヒレスープもたまに見かけます)

果物・デザートまで出てきたら終了の合図で、ゲストは各自帰り始めます。

 

台湾では、外食をしたときに食べきれなかった料理は(食べ放題のお店以外は)ほとんどどこでもお持ち帰りが可能ですが、これは結婚式も同様。

ちょっとビックリですが、食べ物をムダにしなくて済むという点で考えると良いことですよね。

本来は結婚式の他に結納式も

最近は手間を省くために結納式は行わず結婚式だけ、というパターンも多いですが、台湾ではもともと結納式と結婚式が別々に行われます。

結納式は新婦側主催で、ほぼ女性側の結婚式ともいえます。

結納式では女性側のゲストのみ、喜餅と呼ばれるお菓子(最近ではクッキーなどの詰め合わせが多い)が引き出物として配られます。

(結納式が行われなかった場合は結婚式の帰りに配られる)

おわりに

こうして見てみると、日本と台湾の結婚式・披露宴はずいぶん異なりますよね。

ただ、黒い服・靴を身に着けないなどの他には特に注意することはないので、気楽なのではないでしょうか。

参列する際には、にぎやかなお祝いムードの中、おいしい食事を楽しんでくださいね。